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ローズの小さな図書館

 今回、作者キンバリー・ウィリス・ホルトが女性だということを初めて知った。最初に「ザッカリー・ビーヴァーが町にきた日」を読んで感動したのは、もうずいぶん前のことである。見せ物として連れて来られ興業者に置き去りにされた少年ザッカリーと、町に住む少年トビーたちとの交流の話だった。次に読んだ「ルイジアナの青い空」は、「ザッカリー・・・」に比べるとずいぶん読みやすかったけれど、知的障害者の両親を持つ少女の葛藤を描いていた。重苦しいテーマだが、明るい気持ちになれる小説だった。キンバリー・ウィリス・ホルトは、とても好きな作家である。

 そして、ひさしぶりにホルトの新作「ローズの小さな図書館」を発見。
 父親が失踪して、母親と妹と弟と祖父の元に帰る14歳のローズ。学校も続けられずに、17歳と偽って運転免許を取り、移動図書館の運転手の仕事に就く。いろいろ考えながら手渡した本を喜んでもらえる嬉しさ。この小説は、このローズ、ローズの子ども、ローズの孫、ローズのひ孫の4世代の物語である。それぞれの時代の小説が登場して、知っている本だとなかなか楽しい気持ち。ローズの孫アナベスがマッカラーズの「心は孤独な狩人」を読むところで(1973年)、おおっ!となってしまった。私もまた、1970年代に「心は孤独な狩人」を読みましたよ。ひ孫のカイルもいい味を出している。

 やはり、キンバリー・ウィリス・ホルト、大好きな作家である。

      Part of Me

 
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「つなみ」

 「大地」で有名なパール・バックが、日本の漁村のことを書いた本である。パール・バックはアメリカ人の女性だが、「大地」は中国の物語だし、日本にも住んでいたことがあるらしい。

      tsunami

 小さな漁村で火山が噴火し、津波が来る。海辺の集落はあっけなく流されてしまい、高台の長老の家に避難した人たちだけが生き残る。山のほうで農業を生業としていた夫婦が一人の孤児を引き取る。心の傷をいたわりながら、自分の子ども二人と一緒に大切に育て上げる。父親は大きくてたくましい。戦後まもなく書かれた物語である。

 悲劇も喜びも淡々と語られる。アメリカの読者にわかるように日本の習慣を説明する文章もほほえましい。たぶん、大震災直後にはこの本を読もうとは思わなかっただろうが、読んでみて日本人の潔さ・誠実さ・屈しない精神に感動した。パール・バックが日本人をこのように見ていたと思うとうれしいことである。

 短く読みやすい小説なので、中学生あたりにも読んでほしいなあ。

      

魔法の泉への道

 この本の作者リンダ・スー・パークは「モギ〜ちいさな焼きもの師」を書いた人である。「モギ〜ちいさな焼きもの師」は、何年か前中学生の全国読書感想文コンクールの課題図書にもなった。課題図書というものは昔からあまり好きではなかったが、「ザ・ギバー」だの「豚の死なない日」だの、やはりこれを選ばなければと思う本も多く、なかなか侮れない。「モギ〜ちいさな焼きもの師」は本当にしんとした気持ちになる本で、私のベスト・オブ・ヤングアダルトの上位にある。貧乏のどん底にあっても誇りを失わず、自分の道をつかみ取った少年の物語である。
 
 次に翻訳されたリンダ・スー・パークの作品は「木槿の咲く庭」で、これは戦時中日本軍の圧力に負けずにけなげに生きた兄弟の物語だった。日本人としては少々複雑な気持ちになる話だったが、やはりなかなか感動した。
 
      mahou.jpg

 さて、この「魔法の泉への道」は翻訳された3冊目。原題は「A Long Walk to Water」だが、これを「魔法の泉への道」と訳した翻訳者に拍手。邦題がすばらしいアジアの作品では「初恋のきた道」(英題The Road Homeこの映画も本当に好きな映画。もちろん原作も読んだ)が最高と思っている。でもこの本の「泉への道」というのは、だいじなキーワードである。

 「魔法の泉への道」では、時代も違う2人の状況が同時進行する。今回は韓国ではなく、アフリカのスーダンの物語である。諍いに翻弄された少年サルヴァと、日々の水を確保するために学校にも行けない少女ナーヤの話。全く接点のない二人の物語が、最後にみごとに一つにつながる。しかも、あとがきによると、この物語は実話に基づいている。サルヴァという少年は実在しているそうである。そのことを知ったときの感動。

 サルヴァ・ダッドという人についてはSalva's storyなど、紹介された映像もたくさんあるようである。

 余談だが、難民を助け続けている人々と、難民の子ども(と言っても、かわいらしい幼児というわけではない青年)を養子に迎えるアメリカの家族の懐の深さにも心をうたれた。
 読み終わらないけれど返そうと思って図書館に行き、読んでいてうるうるになって恥ずかしい思いをした。でも、みなさんにお勧めしたい、本当にすてきな本です。



 

「ハティのはてしない空」

 今日は、三重県でコンサートだった。三重県と言ってもほとんど和歌山県(?)。昨日名古屋から4時間以上かけて尾鷲(おわせ)にたどり着いた。途中、乗り換えの「多気」という駅には何もなかった。
    111217_1702~01
 乗り換えの駅のまわりがこんな感じ。ここで40分以上待つ間に日没となった。ワンマン電車は走ったり、止まったり(単線だから)、まったりと進んで、尾鷲に到着した。
 帰りは、前日の滋賀のコンサートからレンタカーでやってきたダンナたちと名古屋まで車で戻った。そのほうが、1.2時間に1本という電車(もとい、ディーゼルカーである)より早かった。

 さて、新幹線や電車にいっぱい乗ったおかげで、本を読む時間があった。図書館で借りた「ハティのはてしない空」。私は「ニューベリー賞」オナーというのに弱いのである。
         Hattie.jpg
 孤児のハティが、会ったこともないおじさんから受け継いだ土地に入植して、(杭を480本立てる、東京ドーム3つ半分の土地に作付けをする)条件をクリアして、自分の土地を持とうとする物語である。ハティは16歳。おじさんが残した3m×4mの小屋(家?)に住み、一人で困難を乗り越えて行く。結末は100%のハッピーエンドではないが、成長したハティの姿に読者の誰もが明るい未来を感じられると思う。
 内容的には、16歳の娘があまりにもセキュリティの不完全な状態で一人暮らしができたのか、という最大の疑問は残った。敵対する者やら、無法者やら、危ない相手はたくさんいたはずである。物語のように安全に暮らせるはずはない、と、とにかくはらはらした。
 だが、自分で自分の場所を確保しようというする意志、タフネス、なかなか読者を元気にしてくれる物語だったと思う。暗い状況でもユーモアを失わない、隣人のためにできることを惜しまない、大切なものを見失わない、気持ちのよい小説だった。
 こういう話こそ、今の日本で安穏と暮らしている高校生たちに読んでもらいたいと思うが、そういう人たちこそこんな本には見向きもしないだろうなあ。

時をかける少女

 私にとっての筒井康隆作「時をかける少女」は、NHKのドラマ「タイム・トラベラー」である。なぜ見はじめたのかは謎だが(毎日ピアノ漬けで当時の人気番組もほとんど記憶にない)、夢中になっていたのはよく覚えている。正・続どちらもテレビに釘付けで見た。その後、原田知世ちゃんの「時をかける少女」も見たし、あとからできたドラマやジブリのアニメもある。でも、やっぱりケン・ソゴルは少々のっぺりした木下清さんである。香山和子は、そこそこぽってりした野暮ったさが魅力の島田淳子さんだ。
 そのNHKの「タイム・トラベラー」は、有名な話だがデータを消失してしまっている。NHKのアンケートで常に「もう一度見てみたい」ランキング上位にあるらしいが、不可能なのだそうだ。わずかに最終回だけ、一視聴者が録画していた映像が残されている。その経緯は以下に。NHK少年ドラマシリーズ 「タイム・トラベラー」。40年近く前にビデオに撮った人がいたなんて、すごいよね。うちでは、やっとカラーテレビになったところだった。

 なぜ、今頃そんな話かというと、小学校の図書室に「映画になった本」のコーナーを作ろうと思い、いろいろ集めていたからである。小学校の図書室にも、映画の原作はいろいろある。「指輪物語」も「床下の小人たち」も「ハリー・ポッター」も。日本の作品でも、山中恒さんの小説なら「おれがあいつであいつがおれで」(転校生)「なんだかへんて子」(さびしんぼう)「とんでろじいちゃん」(あの夏の日~とんでろ じいちゃん)と、けっこうあるものである。
 そういう切り口からでも、いろいろ読んでほしいなあ。
プロフィール

しおん

  • Author:しおん
  • 4人の子どものうち、1人は結婚し孫もできました。まだまだ子育ては続きますが、日々格闘しながら、ピアノと向かう毎日。大好きな本のこと、ベランダの緑、趣味の手芸もご報告していこうと思っています。
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