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アンドレ・モーロア 読心噐

 若い頃(大学生だったから、30年以上前)、フランス人のアンドレ・モーロアの「幸福論」とか「読心噐」とか、薦められて読みふけっていた。

 「読心噐」の詳細は忘れてしまったが、人の心が見える機械を発明した人がいて、相手が心の中で何を思っているか機械で読み取れるという話だった。
 にっこり笑って愛想のよい人が、心の中では「何だ、このやろー」と毒づいているとか、実は小狡いことを考えているとか、そういうのが全部見えてしまう。「見えてしまう」ことが必ずしも幸せではない、というような話だったと思う。
 
 好感度の高いタレントがミュージシャンと付き合って、それが不倫だったとか、ラインでのやり取りが漏れたとか、すさまじいバッシングで、芸能活動を休止するという話になっている。

 そもそも不倫は、我が国において犯罪ではない。せいぜい、善良な市民から見ると、婚姻というシステムを軽視し阻害する「やっかいな行為」という位置付けだと思われる。今までにも不倫が露呈した芸能人は多々あった。が、「何さ!」と誹られたとはいえ、今回ほどの大バッシングになったりはしなかった。

 加えて、二人の間の内密なラインのやり取りが白日の下にさらされて「何じゃ、こりゃ!」となるのはいかがなものか。これの真偽はともあれ、寝物語を引きずり出して誰が幸せになれるのだろう?誰かの心の中にある気持ちを知ることって、他人にとってそれほど必要なのか?また知ったからといって得する者がいるのだろうか?

 私の感覚からいうと、他人が見られたくないものをのぞき見るのは「はしたない」、自分に実害の及ぶことでもないのに叩きのめすのは「やり過ぎ」という気持ちなのである。
 日本人は、そんなにヒマなのかな?

 それにしても、何十年も前に、人の心の中をさらすことに警鐘を鳴らす小説を書いたモーロアに脱帽である。


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食べられるものを捨てるということ

 廃棄処分の食品を横流しした業者が問題になっている。
 約束を守らないことは、すごく悪い。私の中でも、もちろんそれが第1である。しかし、この問題に関してはいろいろ考えてしまう。

 世界には、毎日飢餓で死んでいく人たちがたくさんいる。腐っていようが、食べられないものであろうが口にしたい、お腹が空いて死にそうだ、と苦しんでいる人がいる(段ボール中学生だって、そうだったのだ)。そうして、実際、お腹が空いたと思いながら、死んでいくのである。

 日本には消費期限というものがあって、「危ないかもしれない」ものを売ってはいけない、ということになってる。あくまでも「危ないかもしれない」のであって、「危ない」わけではない。同時に、工場の中で作られた1万個の中の、もしかしたら1個に何かの破片が1つ「紛れたかもしれない」ものも破棄される。残りの9999個は安全に食べられるはずのものである。

 でも、考えてみたい。私たちは、買ってきたものをすべてその瞬間に食べ尽くすような生活を送っているだろうか?多くの人たちは冷蔵庫を持っていて、食べきれないもの、あとで食べようと思っているものは保管する。そのあと食べるとき、生鮮食品なら鮮度や状態を確認するのが当たり前である。
 同時に、魚を焼いたり煮付けたりしたら、骨があっても気にせずに食べたりはしない。骨があったら出そうと気をつけながら食べるのがふつうである。
 加工食品だから、そのへんをメーカーにお任せというのは手抜きではないのか?

 しばらく前、どこかの大学の栄養科の先生が、学生に「五感を使って、食べられるか判断する」という授業をしていると、ニュースになった。消費期限を過ぎた食物を、確認しながら食べるというものだった。どこぞの学食で消費期限切れの食材を出したら問題かもしれないが、まだだいじょうぶかどうか自分で考えるという授業だったと思う。

 若い人たちに聞くと、消費期限ないしは賞味期限を1日でも過ぎたものを捨てる、という人も多い。
 ちなみに、私は絶対に捨てないね。納豆の期限なんて1週間くらい過ぎていても何ともない。豆腐だって、お肉だって、実際に見て判断する。我が家では、食べられか食べられないかは自分で判断して決めるもので、人から言われることではない。でも、今のところ、家族は誰も体調を崩したりはしていない。
 
 今回の横流しも、今のところ健康被害のニュースはない。

 私は嘘はいけないと思うけれど、命をいただいている食事なんだから、命を粗末にしてはいけないとも思うのである。食べたくても食べられない人たちに、失礼である。ついでに、食べ物になるために死んでいった生き物にも。

 廃棄するものを売ったからけしからん、だけではなく、食べられるものを廃棄する日本のありように目を向けたい。

 「これは少々古いけれど、食べられるはずです」とか、「もしかしたら異物が混入しているかもしれないけれど、除去すれば食べられます」と明言して売って、ちゃんと食べるっていう選択肢もあるんじゃないかな。
 食べられるものを捨てない。これも、今から大切なことだと思う。
 
プロフィール

しおん

  • Author:しおん
  • 4人の子どものうち、1人は結婚し孫もできました。まだまだ子育ては続きますが、日々格闘しながら、ピアノと向かう毎日。大好きな本のこと、ベランダの緑、趣味の手芸もご報告していこうと思っています。
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