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世界でたったひとりの子

 アレックス・シアラーの最新作(たぶん)「世界でたったひとりの子」を読了。「チョコレート・アンダーグラウンド」と同様、近未来のどこかの世界の小説である。でも、もちろんSFであることがすごいのではない。不老の薬が発見されて、飲んだ誰もが200歳近く生きられるようになる。死ぬまで40歳前後の容姿のままで。その代償として原因不明の不妊がはびこったため、子どもが貴重な存在になり、PP(ピーターパン)という名の、子どもの姿のまま成長を止める手術を受ける者も出てくる。子どものほしいお金持ちが、本物の子どもやPPを受けた人間を借りたり買ったりするために、ひとさらいや誘拐も多発する。31639425.jpg
主人公のタリンも、小さいときに盗まれた子ども。タリンをお金持ちに貸して稼いでいるディードと暮らしている。ディードはタリンにPPを受けさせ、一生レンタルして稼ごうとするが、タリンは「ぼくはおとなになりたいよ。」と願う。
 本当にせつない物語だった。孤独で出口のない世界にがんじがらめにされたタリンがあわれである。でも、シアラーらしく、最後にはどんでん返しが用意されていて、本当によかった。
 「チョコレート・アンダーグラウンド」がまじめな問題を取り上げているのにユーモアにあふれ、わくわくする展開なのに対し、「世界でたったひとりの子」はずっとシリアスである。タリンの絶望がひしひしと迫ってくるし、楽しい話ではないが、でもそこはストーリーテラーのアレックス・シアラー、最後まで一気に読んでしまった。かなりお薦めしたい本です。
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しおん

  • Author:しおん
  • 4人の子どものうち、1人は結婚し孫もできました。まだまだ子育ては続きますが、日々格闘しながら、ピアノと向かう毎日。大好きな本のこと、ベランダの緑、趣味の手芸もご報告していこうと思っています。
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