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アル・カポネによろしく

 最近ちょっとはまっている、こだまともこさんが訳した新作である。ジェニファ・チョールデンコウというすごく面白い名前の人が書いた本だが、内容もすごく面白かった。31822324.jpg
 アル・カポネがアルカトラズ島の刑務所にいたころの話。父親が刑務所に勤めるためにアルカトラズ島に引っ越してきたムース少年が、自閉症の姉(妹?)と2人、地元の子どもたちと関わり合いながら、お互いに成長していく物語である。ものすごく憎たらしい女の子、ムースの気持ちを振り返ることもなく自閉症の娘の治療にすべてをかける母親。ムースの気持ちになって「なんでだよ?」と憤りながら読み進んだが、ムースの周りで友だちの絆が生まれ、仲間の力がムースを助けてくれる。そして最後に一役買うアル・カポネの粋なこと!
 結末もじ~んとするのだが、私が最初にうるうるになったのは、何と言ってもアル・カポネの母親がアルトカラズ島にやってくるシーン。サンフランシスコからの船を下りて金属探知器を通るとき、けたたましい音がしてひっかかってしまう。イタリア語しか話せない母親が、連行され裸同然にされ、でも、金属探知器にひっかかっていたのは旧式のコルセットの金具だったんだよね。お母さんは動揺して、アル・カポネに面会せずに引き返して帰ってしまう。これはフィクションではなく、実際にあった話らしい。ここで小説の主人公のムースは、「あのお母さんだって、アル・カポネが子どもだったころ、ご飯を作ってやったり、かわいがって育てたんだろうな。自分の息子がこんなことになって、あのころに戻ってやり直したいと思うのかな。」と考えるのである。
 このシーンにしても、希望に満ちたラストにしても、何ともせつない。本当にうまい書き手である。そして、読みやすく美しいこだまともこさんの日本語!
 実際に、アルトカラズ島の刑務所に勤務していた人は、家族と共に島に配属されていた。何かの時にすぐに出勤できるように、という配慮だったらしいが、子どもたちの生活・笑い声といったものが、受刑者たちの琴線に触れることもあったのではないだろうか?受刑者と看守たちの家族とが接することもあったらしいし。
 次の予約が入っているとかだったので、読み終えたらすぐに図書館に返しに行った。かなり、お薦めの本です。
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しおん

  • Author:しおん
  • 4人の子どものうち、1人は結婚し孫もできました。まだまだ子育ては続きますが、日々格闘しながら、ピアノと向かう毎日。大好きな本のこと、ベランダの緑、趣味の手芸もご報告していこうと思っています。
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